林檎のブランデーでつくる次世代ハイボール『カルボール』

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今から強烈に美味いハイボールをご紹介させていただきます!!

その名も『カルボール』です!
『ハイボール』じゃないです!
『カルボール』です!!

99%の方が「なんじゃそりゃ!?」だと思います。
『カルボール』というのは、カルヴァドス(calvados)という林檎のお酒(ブランデー)を使ったハイボールでございます。

今、日本では『ハイボール』といいますと基本的にはウイスキーのソーダ割りのことを指しておりますが、そもそも『ハイボール』はウイスキーのソーダ割りに限ったものではありません。

その他のお酒、さらにはその他の副材料で割ったものも『ハイボール』と捉える考え方がございます。
このように書くともはや何でもアリになってきますが…。
語源についても諸説あるのですが、ここでは割愛します。

まずは早速『カルボール』を伝授させていただき、その後でカルヴァドスや丁寧な作り方について解説していきたいと思います!

文章を読むより動画で見た方が楽だ!と言う方はコチラで実際に私が作って解説させていただいております。

今回のレシピ

・カルヴァドス「ブラーグランソラージュ」
・炭酸水 カルヴァドス1に対して3〜4お好みで
・レモンピール又はオレンジピール

作り方は非常に簡単です!
普通のハイボールをカルヴァドスにするだけ!以上です!
ハイ!完成!
簡単!!

…と、まぁ本当にこれだけなんですが、配合比率やレモンピール・オレンジピールの使い方など、一応丁寧な『カルボール』の作り方も解説しておきます。

今、世の中で当たり前のようにハイボールが飲まれているので今更かもしれませんが…一応ね。
ポイントなども踏まえ、ワンランク上の工程が詰まっているかもしません!

材料となるカルヴァドスの「ブラーグランソラージュ」という銘柄についても後程。 

詳しい作り方と解説

1. 容器(ここではグラスとします)に氷を入れる
 これが一番最初にやる作業です。
この後グラスチルド(ここではステアをして氷を使うことによってグラスを冷やす行為)するわけですが、カルヴァドスを用意したり炭酸水を用意したり、例えば簡単なつまみを用意したり。
氷を入れて置いておくだけで氷は溶けて角が落ち、グラスも冷えていくので時短につながります。

2. グラスを冷やす
 グラスに入った氷をバースプーンやマドラーで回し(ステア)グラスを冷やすともに氷を溶かして角を取ります。
氷の角を落とすことは、水っぽくなりにくく、炭酸が抜けにくくなることにつながりますが、グラスを冷凍庫・冷蔵庫で冷やしてある方はこの工程を省略してもでしょう。お好みで。
ステア、または放置をして冷やしたグラスには氷が溶けて水が溜まっています。「これっぽっちの水いーじゃん」と思う方もいるでしょうが、捨てましょう!家で自分のために作るだけなら手でフタをしてポイだけで良いので!
私が動画でやっているように、マドラーなどで氷を抑えて水を切ると手も濡れず、スピーディかつ衛生的ですが、氷が落ちないように注意してください。

3. カルヴァドスを注ぎ、ステアする
 いよいよカルヴァドスの登場です。
先ほどのグラスにカルヴァドスを注いでステアし、カルヴァドスを冷やし、氷と馴染ませます。
カルヴァドスと炭酸の割合は、カルヴァドス1に対して炭酸水3〜4倍が美味しく飲めると言われていますがお好みで。
どういう氷をどの位の量使っていて、どれぐらい氷が溶けるかによっても仕上がりの度数が変わってきます。ゴクゴク飲むなら5~6倍でも良いと思いますし、1:1でゆっくり味わっても良いと思います。

4. 氷に当てないように炭酸水を注ぎ、軽く混ぜ
 炭酸水は冷蔵庫等で前もって冷やしておきましょう。温度が高いと炭酸が抜けます。
グラスを傾けたりして、氷の隙間を狙いつつグラスの内側を添わせながら穏やかに注ぐと良いと思います。
ぶっちゃけカルヴァドスのようなお酒は比重が軽いので、結構丁寧に注いでも注ぐだけでほぼ混ざります。自分は水割りの場合には”練る”ような感覚で作りますが、今回は炭酸水ですし、その発砲性もありますので。
ハイボールの作り方でよく「氷を持ち上げるように混ぜる」とありますが、家庭で使うような小ぶりの氷を、先端がスプーン状になっていない一般的なマドラーでは持ち上げづらいです。持ち上げようとして氷がガチャガチャとなって余計に炭酸にストレスを与えかねません。無理して持ち上げるよりは「軽く混ぜる」程度の気持ちで十分です。

5.レモンピール、オレンジピールを絞ってみよう

 ハイ!以上、工程4. で完成なのですが、今日はもうひと手間加えてみましょう。
まずはそのままの『カルボール』を味わいましたら、次にレモンやオレンジの皮(ピール)を使って香り付けをします。
カットレモンの入ったジョッキのように果汁・果肉ごと入れるのではありません。
まず、レモン(オレンジ)の外皮のみを削ります。
削り方は短冊状でも丸型でもどちらでもいいです。整形した短冊状だと捻って(ツイスト)香付けしたあとそのままグラスの中に入れても綺麗ですが、丸の方が楽です。
この際、白い部分(甘皮)は出来るだけ削らない方がよりクリアな香気が漂うはずですが、気にしなくて大丈夫です。
果物の外皮・甘皮は用途や見た目、狙う味や手間などをふまえ処理の方法を変えてください。カクテルのピールの場合には、その認識程度で大丈夫です。ぶっちゃけ違いわかりません。
外皮を削りましたら、グラスの斜め45度くらい上から絞って香りを飛ばしてください。
この時のやり方はバーテンダーによって全然違います。
きっとみんな持論があるはずですが、キュッと外皮をはじけさせ、香りを出してあげるようにすれば大丈夫です。
上手に香り成分が絞り出せますと、グラスに口を近づけなくても、ふわりと香りが漂います。


いかがだったでしょうか?
こちらが、次に流行る次世代のハイボール『カルボール』です!

今現在カルボールで検索すると、どこまで辿っても歯科用カルボールという医療用医薬品しか出てきません。自分はそんなものがあるということをそもそも知らなかったんですが。


是非ふくらみのある果実の甘みを味わってみてください!
ウイスキーハイボールのようにギンギンに冷やして強炭酸で!と言う方はカルヴァドスを冷凍庫に入れておく良いです。ウイスキーと同じく一般家庭の冷凍庫では凍らないです!
もちろんそれも美味しいですよ!!

大事なことなんですが。
『カルボール』というのは一般的に認知されているお酒の名称ではありません。
あくまでウチの店で使われているオーダー。

まぁ中身はカルヴァドスのソーダ割りなので、カルヴァドスハイボール(カルヴァドスのソーダ割り)と言うのは飲んでらっしゃる方も多いですし、お出ししているバーも多いでしょう。
もちろん他所でもカルボールと呼んでいる方、いらっしゃるかもしれませんし、勘の良いバーテンダーでしたら「カルヴァドスのソーダ割りですか?」「カルヴァドスのハイボールですか?」となると思います。

ですが!!
自分は是非!この名前もカワイイ『カルボール』を世に広めていきたいと思います!



次に、カルヴァドスというお酒についてザックリ簡単に、少しだけお話させていただきます。
詳しく書くと長くなりそうなので、それはまた別ページにまとめておくとします。

冒頭でカルヴァドス(calvados)は林檎のお酒(ブランデー)であると触れました。
ブランデーというのは果物の蒸留酒の総称です。

ブランデーと言えば皆さんコニャック(cognac)と聞いたことがあると思いますが、コニャックはブドウのブランデーになります。
そしてさらに林檎・リンゴ・りんごのブランデーだと言ってますが、カルヴァドスは洋ナシもブレンドして作られます。

林檎のブランデー自体は日本でも作っていますが、カルヴァドスとは言いません。
ココ、結構勘違いしてしまっている方が多いです。
林檎のブランデー=すべてカルヴァドスではありません。
カルヴァドスと名乗ることが出来るのは、フランスの限られた地域でのみ作られたものを指します。
また、カルヴァドスはウイスキーのように樽で熟成されます。
その熟成年数、洋ナシとの配合比率や品種、地域など様々な要素が相まって味が生まれます。

本日使用したカルヴァドスはこちら。
「ブラーグランソラージュ」になります。

2021年現在、日本への正規輸入・販売取扱いはサントリーになります。
並行輸入だとアクサスと言うところが扱っています。

サントリーの直系で購入する以外ほぼほぼ並行の印象。
都内の大手酒販業者もそうですし、ネット販売はどこ見ても並行ですね。

ラベルに書かれてあるのはこうです。

Boulard(ブラー):社名、ブランド名
Calvados(カルヴァドス):酒の分類
Pays d’Auge(ペイドージュ):日本人的にはペイドージュと読みまして、カルヴァドスの地区の名前であり、ペイドージュにはペイドージュの作り方があります。
Grand Solage(グランソラージュ):というのは独自のラインナップです。
他に「V.S.O.P.」や「X.O.」などがあります。


「Grand Solage」がオーク樽で2年~5年熟成と言われているのに対して、「V.S.O.P.」や「X.O.」はそれぞれさらに長熟となっております。


「V.S.O.P.」「X.O.」と熟成年数が上がることによって味わいが変わるのはもちろん、お値段も変化します。

当然「V.S.O.P.」も「X.O.」もストレート・ソーダ割りで味わっていますし、ブラ―社の製品以外に一本何万円もするようなカルヴァドスでも『カルボール』を経験済みです

しかし!!その上でソーダ割りにあえてリーズナブルで若い「Grand Solage」をオススメします!
この若くてフレッシュ、スッキリとした味わいがソーダと混ざることで良く活きてまいります!

もちろん機会があれば「V.S.O.P.」でも「X.O.」でも試して頂きたいですが、「Grand Solage」で十分です!
というか『カルボール』には「Grand Solage」が良いです!


今日はそんな『カルボール』の魅力をお伝えさせていただきました!
是非是非皆さんお試しください!
流行らせてください!

・グラスは冷やす
・カルヴァドスを注ぐ前に、グラスの中で氷が溶けた水は捨てる
・カルヴァドスを注いだら氷と混ぜる
・よく冷やした炭酸水を注ぎ、やさしく混ぜる

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